2、独立倫劈(てへん) 右足を右前方に一歩踏み出し、身体を右に回す。それに従い、右手の剣を上に挙げ、右側下に向かって剣を立てて切り下ろし、力は剣の下の刃におく。左手の剣指は身体の左側から下、右と回して左のこめかみの上に至り、手の平は斜め上に向ける。倫劈(てへん)剣と同時に左足は膝を曲げて独立式となる。目は剣先を見る(図23)。  要点:  劈剣の時、身体と頭をまず左に回してその後、剣の切り下ろす(倫劈)方向に従って再び右側方へ回す。堤膝(膝を持ち上げる)と劈剣(剣を切り下ろす)は協調し、一致させ、動作の全体の過程は止まらず続けていくようにする。 (七)退歩回抽 左足を左後方に下ろし、膝を曲げ、右足はそれに従って半歩下げて戻し、爪先を 地に着け、右虚歩となる。同時に身体を左に回し、右手の剣は引き戻して剣の柄を左助骨の傍らに近付ける。手の平は身体の中心に向け、剣面と身体は平行にし、剣先は斜め上に向ける。左手の剣指は剣の柄の上におろす。眼は剣先を見る(図24)。  要点: 右足を下げて戻すのと剣身を引き戻す(回抽)動作は一致させること。上体は真直ぐに保持する。 (八)独立上刺 1、転身進歩 身体をわずかに右に回し、右足を前に一歩進め、踵からまず地に着ける。その後身体をゆっくり前に移して、右足に至って重心を支える。同時に剣を持っている右手を身体を回すに従い、剣の柄を腹前に置き、剣先を斜め上に向け、左手の剣指はやはり右手の手首のところに近付ける。眼は剣先の方向を見る(図25)。 2、独立上刺 左足は膝を曲げ持ち上げ、右足は重心を支え、独立式となる。同時に右手の剣を前方上へ向けて突き出す(手の平は上向き)。勁力は剣先を貫くようにし、剣先の高さは眼と平行にする。左手はやはり右手の手首の部分に近付けておく。眼は剣先を見る(図26)。 要点: 独立上刺の時は、上体をわずかに前に傾けて独立式はバランスよく安定させる。 (九)虚歩下載? 左足を左後方に降ろし、右足はすぐさまわずかに後ろに下げて爪先は地に着け右虚歩となる。同時に上体を左に向け、再び右に回して行く。右手の剣は身体を回すに従って身体の前を経て左から下、右へと押さえる(裁 カットする)。  力は刃に集中し、剣先はわずかに下へ垂らし、膝と平行の高さにする。左の剣指は左後方から回して左のこめかみの上に至る。(手のひらは斜め上を向く)。眼は右前方向を平視する(図27)。 要点:右足を虚歩に変えるのと剣を下に裁(断ち切る)するのは協調し、一致させなければならない。もし南を向いて起勢を行った時、この虚歩は定式の方向は東南約30度になる。 (十)左弓歩刺 1、撤歩送剣 右足は右後方へ一歩下げる。同時に剣を持った右手を前、上に向け、剣を立て前に運んで挙げて行き、胸と同じ高さにし、左手の剣指は右手の手首の部分に降ろす。眼は剣先の方向を見る(図28)。 2、活歩巻剣 身体を右に回し、重心を右足に移し、膝をわずかに曲げ、左足はそれに従い右足の足首の内側に寄せた後、再び左前方に踏み出し、踵を地につける。同時に剣を持った右手を身体を回すに従い、顔の前を経て後方、下に向かって巻き付けるように引き、腰の傍らで外旋し、手のひらを上に向け、返し、左手の剣指は右手の手首の部分に動きに従い近付ける。眼は右前方下をみる(図29)。 3、弓歩平刺 身体を左に回し、重心を前に移して左弓歩となり、それに従って剣を持っている右手を左前方に向けて突き出す。手のひらは上に向けて胸と同じ高さにする。左手の剣指は腹前を経て左、上に向けて弧を描いて左のこめかみの前上方部に至り、手のひらは斜め上に向け、腕はわずかに曲げる。眼は剣先の方向を見る(図30)。 要点:1から3の分解動作は続けて(連貫)、滑らかにする(円滑)。腰を回して剣を運ぶ動作は協調し一致させる。左弓歩刺剣の定位置の方向は東北約30度にする。 第一段 提示 第一段十の動作の中には僕歩、弓歩、独立歩があり、特点は平穏を持って主とし、歩法は上歩(足を一歩進める)をもって主とし、動くスピードは緩慢で平均していて穏健である。剣法は主に点、刺、平帯、ピイなどの基本剣法をもって主としている。  この段は動作の難度は大きくないが、しかし動作の協調性は強く、足のコントロール能力に対しての要求が比較的に高く、それゆえ、訓練の時に特に動作を一式一式、歩型と歩法を正確にし、規範に合わせることを要求し、剣法を明瞭にしなければならない。運動中、身(体)と械(器戒、ここでは剣)を順調にうまく運び協調させなければならない。この段の動作は穏やかで三回の独立平衡が現れることから訓練中は脚力および片足で支えてのコントロール能力に対しての要求がとても高いことが明らかであり、それゆえ、我々は日頃、訓練の前に脚力を強化する訓練を多くやらなければならない。例えば馬歩庄(木へん)、虚歩庄(馬歩や虚歩で立つ練功法)、堤膝空(手へん)腿(独立式でバランスをとって立ち続ける)などの動作を練習する。このようにすればさらに良く、さらに早く訓練の技術レベルを向上させることができる。 第二段 (十一)転身斜帯 1、堤膝収剣 身体の重心を後ろに移し、左足の爪先を内に入れて上体を後ろの回し、その後で身体の重心をまた左足上に移して右足を持ち上げ左足の内側にくっつける。同時に右手の剣を胸の前に戻して横向きに置き、手のひらはやはり上を向く。 左の剣指は右手の手首の部分に降ろす。眼は左の方を見る(図31)。 2、弓歩斜帯 前式から止まらずに右後方薬45度に向けて身体を回し、右足は右側方に踏み出し、右弓歩となる。同時に右手の剣は手首を翻して手のひらを下に向け、身体の右側に向かって伸ばしてから引き(剣先はわずかに高くする)、力は剣の外側の刃に置く。左の剣指はやはり右手の手首に近付けておく。眼は剣先を見る(図32)。 要点 身体を右後方に回し、右側方に向けて踏み出し、右弓歩となるのと、右に向けて伸ばしてから引く(帯剣)は協調し一致させ、力は穏やかさを追求する。転身斜帯の弓歩の方向は西北約30度となる。 (十二)縮身斜帯 1、活歩挿指 身体の重心を右足に全部移し、膝を曲げて重心を支える。左足を持ち上げ右足の内側後方へ寄せてくる時、左腕は肘を曲げ、左手の剣指を下に向け、左に向かって弧を描いて身体の横側を経て、手首を曲げて左助骨の傍らにくる。手のひらは上に向き、指先は後ろに向ける。動作を止めずに左足を続けて左後方へ再び降ろし、左膝をわずかに曲げる時に、剣指を続けて左助骨の傍らから左後方に向けて返しつつ挿して行き、方を沈め左後方に挙げる。手のひらは後ろを向き、指先は左を向き剣を持っている右手は右に向かって腕を曲げて開く。手のひらはやはり下を向き、眼は右前方を見る(図33)。 2、徹歩斜帯 身体の重心を左足に移し右足は左足の内側に下げ、爪先を地につける。同時に右手を翻して手のひらを上に向け、剣を左横に向け、掃い戻して(剣先は剣の柄よりわずかに高くする)、勁力は剣の外側の刃に集中する。左手の剣指は続けて左、上、前に向けて弧を描いて回して右手の手首に降ろし、手のひらは下に向ける。眼は剣先を見る(図34)。 要点 ・左足を寄せて一歩下げるのと剣指を左助骨の方へ返しつつ挿して行く動作は協調し、一致させなければならない。 ・左足を下げるのと右手の剣を左に掃い戻す動作は協調し、一致させなければならない。 (十三)堤膝棒剣 1、撤歩分手 右足を後ろに下げ、左足もわずかに後ろに下げて爪先を地につける。同時に両手を平行に分け、手のひらを両方とも下に向け、剣身を身体の右側に斜に置く。剣先は身体の前に位置し、剣指は身体の左前方横に置き、指先は右前方を向く。眼は前方を見る(図35)。 2、堤膝棒(手へん)剣 左足はわずかに前へ向けて足を送りだし、右膝は前へ持ち上げて独立式となる。同時に右手の剣を外旋させ、手のひらを上に返して、剣の柄と左手(剣指を掌に変える)を胸の前で互いに合わせ、左手は右手の甲の下に置き、持ち上げるようにして両腕はわずかに曲げる。剣は胸の前に置き、剣身は真直ぐに前方に向け、剣先はわずかに高くする。眼は前方を見る(図36)。 要点: 以上の二つ動作は止まらず続けなければならない。独立歩は左足を自然に真直ぐにし右足は膝を曲げ、爪先は下に垂らす。上体は自然にして平穏を保持する。 (十四)跳歩平刺 1、落脚収剣 左足は膝を曲げて下に下げ、上体は中心を正しく保ち臀部を引っ込め、右足を前に向け降ろし、踵からまず地につける。同時に両手で支え持った剣を下、後ろに向け戻して行く。眼は前方下を見る(図37)。 2、登(足へん)地刺剣 身体の重心を前に移し右足は全部地に着け、その後左足の爪先は力を入れて地を蹴りだし、踵を持ち上げて、両足は自然に真直ぐに伸ばす。同時に両手で支え持った剣を前に向かって伸ばして突き刺し、胸と同じ高さにする。両手の手のひらは等しく上を向き、眼は前方を見る(図38)。 3、跳歩収剣 身体の重心を続けて前に移し、左足の爪先は続けて力を入れて地を蹴り出して、左足の爪先が地面から離れた時、すぐさま前へ向かって跳びだし、一歩進め、左足をしっかりと地に安定させ、下に下げる。右足は左足が地面に降りるか降りないかの時、迅速に左足の内側へ寄せて一緒にする(足は地面に降ろさない)。同時に両手で分けて身体の内側に戻して行き、両手の手のひらは等しく下を向き、左手は剣指に変えて左股関節の傍らに置き、指先は前を向く。眼は前方を見る(図39)。 4、弓歩平刺 右足を再び前に向けて一歩踏み出し、右弓歩となる。同時に右手の剣は前に向かって平らに突き刺し(手のひらは上向き)、勁力は剣先を貫くようにする。左手の剣指は左後方から上に挙げて左のこめかみの上まで回してくる。手のひらは斜め上に向ける。眼は剣先の方向を見る(図40)。 要点: ・4つの分解動作に続けて完成させるようにし、各分解動作の間のつながりは順調にうまく運んで自然に行わなければならない。 ・跳歩収剣の時、必ず足を降ろして寄り足を(跟歩)行わなければならず、両手を股関節の両側に分けてくる動作は整然と一つになるようにしなければならず、足が至れば手が至るということであり、その上で重心を支える左足はわずかに曲げ、安定して立たなければならない。 ・弓歩刺剣のとき、まず一歩踏み出し踵を地に着けてから、再び重心を移し弓歩刺剣にしなければならず、動作は協調し一致させなければならない。上体は自然に正しくまっすぐにし、股関節を下に沈めて右膝をわずかに曲げる。 (十五)左虚歩撩 1、収脚能?剣 身体の重心を後ろに移し、左足上に乗せ、上体を左に回し右足を戻し、爪先を左足の内側約30cmのところに着ける。同時に剣を持っている右手は身体を回すに従い、わずかに内旋させ、剣を上、左に向け顔の前を経て左へ振り回し、上体の左前方に持ってくる。手のひらは内に向けて剣先は左前上方に向き、こめかみと同じ高さにし、左手の剣指は身体を左に回す時に従い、左、下に向かって弧を描きながら右手の手首の部分に降ろす。手のひらは下に向け、眼は剣先の方向を見る(図41)。 2、左虚歩撩 前式から止まらず右足を再び前へ向けて半歩踏出し、踵から地に着け、爪先を外に開く。それから身体を右に回し、身体の重心を前へ移して右足に至り、膝を曲げて重心を支え、左足をすぐさま前へ一歩踏出して爪先を地に着けて左虚歩となる。同時に剣を持っている右手は身体を右に回すに従い、続けて左、下に向けて内旋させ、上に向かって弧を描いて剣を立てて切り上げる(撩)。  手のひらは外に向けて、力は剣の刃の前方部分に集中し、剣の柄は頭の前で止めて剣先をわずかに低くする。左手の剣指は右手を回すに従い、やはり右手の手首の部分に添えておく。眼は前方を見る(図42)。 要点: (1)撩剣(切り上げる)の路線は必ず身体の前に沿って立円を描く。 (2)左手の剣指は必ず左助骨の傍らに降ろしてから右手に合わせる。 (3)身体はまず左に回し、再び右に回して右手の剣を連れて左、右に向かって回し、切り上げる。必ず身体が剣を連れていくようにして身械(身体と剣)が協調しなければならない。 (十六)右弓歩撩 1、転身尭(糸へん)剣 身体を右に向けて回し、右手の剣を上、右に回し、身体の右横に剣を立て平らに挙げておく。手のひらは前に向ける。左の剣指は剣を回すに従い、右腕の内側に近付ける。眼は剣先の方向を見る(図43)。 2、弓歩撩剣 前式から止まらずに左足を前に向け、踏出し、踵から地に着け爪先を外に開いて、また重心を前に移すに従い、左足は膝を曲げて重心を支える。それに従って身体を左に回し、右足を率いて前に向けて一歩踏出して右弓歩となる。同時に右手の剣は続けて右から下へ向け、身体の横を経て前に向け剣を立てて切り上げる(撩)。  前腕を外旋させ、手のひらを外に向けて、剣と肩を平行にして剣先はわずかに低くし、勁力は剣の前部を貫くようにする。左手の剣指は続けて下、左、上に向けて回し、左のこめかみの上に至り、手のひらは斜め上に向けて、眼は剣先の方向を見る(図44)。 要点: (1)身体は右に回し再び左に回して剣を持った右手は身体の右側を経て立てて回し、円になるように切り上げて身体と剣が協調し、うまく運ぶようにしなければならない。 (2)眼は剣を動かすのに従い、右、前に向いて見る。 (3)動作全体は連貫し、スムーズに合わせ、穏健にしなければならない。

さあ、がんばって次ぎに進もう!
第二節は次ページですがまだ製作中です、暫くお待ち下さい。^:^;;。

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