四、各動作の分解動作の提示と説明

予備動作
(一)予備式
1、並歩持剣
両足を揃え、身体をまっすぐにして立ち、両腕を自然に空だの両側に垂らし、左手で剣を持ち、剣身を腕の後側に軽く付け、剣先は上に向ける。目は前方を平視する(図1)。
2、開立持剣
身体を真直ぐに正して、左足の踵、つま先と順を追って持ち上げ、少し地面から離し、左横に向けて半歩踏み出してつま先、踵と順を追って地面に降ろし両足を開いて立つ(開立歩)。肩と同じ幅とし、つま先は前を向く。目はやはり前方を見る(図2)。
要点:
上体は自然にしなければならず、故意に胸をピンと伸ばしたり、腹を引っ込めたりしてはならず、剣を左腕の後ろに置き、身体に触れてはならない。開立歩の後、右手は剣指となり、両腕は少し外に広げる。
(二)起勢
1、両臂平挙
両腕をゆっくりと前に向け平らに挙げて、高さは肩と同じ高さにし手の平を下に向ける。目は前方を見る。
要点:
両腕を上に起こす時に力を用いてはならず両手の広さは両肩を超えてはならない。剣身は左腕の下に置き、平らにしなければならず、剣先は下に垂れ下がっってはいけない。
2、屈尊(足)挙指
前式から止まらずに、左手は剣を持ったまま上、右に向かって弧を描いて肘を曲げて胸の前に行く。手のひらを下に向け、剣先は左に向ける。右手の剣指は下に向かって弧を描き右腹の前に来る時に剣指を外旋し外に翻し、手のひらを上に向けて返し、その後、続けて右、上、前へ向けて弧を描いて身体の右前方へ挙げ、肩と同じ高さにし、腕はわずかに曲げて、手のひらは左後方に向ける。目は右の剣指を見る(図4、5)。
要点:
・膝を曲げ下に下げた時、上体は正しくまっすぐに保持し、臂部を引っ込める。膝を曲げて降ろした時、重心を右足に移し、同時に左足の踵を上げる。
・両膝を曲げるのと左手の剣が胸前にくるのと、剣指を右に挙げるのは協同して一致させなければならない。
3、弓歩前指
身体を左へ廻し、左足を持ち上げて左前方に向かって踏み出し、左弓歩となる。左手の剣はすぐさま身体の前を経て左下を掃って左股関節の傍らへ至る。剣身は左腕の後ろで剣先は上を向く。同時に右手の剣指は右前方から肘を曲げて上に挙げ、耳の傍らを経て身体を動かす方向に従って前に指を出して行き、目の高さと平行にする。目はまず右を見て、その後前方の右剣指を見る。(図6)。
要点:
左腕が身体の前で弧を描く時、身体をまずわずかに右に廻し、身体の重心が右足に乗り、右足が安定した後、再び左足をあげる。”弓歩前指”の過程の中では上体はまずわずかに廻し、すぐさま左足を踏み出し、踵から先に地に着ける。そして重心を前に移して左弓歩となる。弓歩と前指の動作は協同し、一致させる。
4、上歩穿柄
左腕は肘を曲げて上に挙げ、左手の剣(手のひらは下向き)は、剣の柄の部分が胸前を経て右手の上から突き通す。右手の剣指は翻して(手のひらは上向き)ゆっくり下に降ろし右後方へ移して行く(手のひらはやはり上向き)。両腕は側面に分け前に平らに挙げ、身体を右に廻す。これと同時に右足を持ち上げ前方横へおろし、つま先を外に開き、両足を交差させ、膝を曲げる。左足の踵を地面から離し、身体は少し下に座るようにして半坐盤勢となる。目は後ろの右手を見る(図7)。
要点:
左右の手は必ず身体の前で交差して分け、右手を後ろに移すのと身体を右に廻す動作は協調し一致させなければならない。
5、弓歩接剣
右足と左手の剣の位置は動かさず、左足は前に一歩進み、左弓歩となる。同時に身体を左に廻して右手の剣指はこれに従い、頭部の左上を経て前に向け、剣の柄の上に降ろし、剣を受け取る(接剣)準備をする。目は前方を平視する(図8)。
要点:
動作の時はまず足を挙げて頭を左に向け振り返り、その後再び右腕を挙げていき、下におろす。両腕は硬くまっすぐにしてはならず、両肩は緩めて上体は自然に保持しなければならない。
    
        第一段
(一)並歩点剣
左手の人差し指を中指の一方に密着させ、右手は剣指を緩めて開き、虎口(親指と人差し指の間)を護手に付け、剣を受け変えて剣を体の左側で一回立円を描いて、その後剣先を前方下に向かって点撃する。剣先はちょっと下に向けて垂らし、右腕は平らに真直ぐにする。左手は剣指に変えて右手の手首に添える。同時に右足を前にすすめ、左足に接近させ揃えて並べる。つま先を前に向け、体はわずかに下にしゃがみ、目は剣先を見る(図9)。
要点:
剣先を前に向けて回転させる時、両腕は高く挙げてはならない。剣を握っている右手を一回りさせる時は、ただ手首をまわすように用いればそれで良い。点剣の動作のとき、手首を上げて剣先の下の切っ先に力を注ぐ。
(二)独立反刺
1、撤歩抽剣
右足を右後方に一歩退き、それに従って身体をわずかに右にまわし重心を右足に移していき曲げて下げ、左足の膝をわずかに曲げる。同時に剣を持っている右手は手首を沈め、下から剣を右腹のOから引き抜いてきて、手のひらは内に向ける。剣先は左前方上部を向き、左の剣指はやはり右手の手首の内側にそえて支える。目は剣先の方向を見る(図10)。
要点;
右足を後ろに下げて重心を後ろへ移すのと右手を右下へ剣を引き抜く動作は同時にしなければならない。
2、丁歩上挑
身体を続けて右にまわし、左足を右足の内側に寄せ、爪先を地に着ける。同時に剣を持っている右手は身体の前方下を経て右側まで下げていき、右手首を外旋し、下に沈めて剣先を上にはね上げる。左手の剣指は剣を下げて戻していくに従って右肩の傍らで止める。目は剣先を見る(図11)。
3、独立反刺
上体を左に回して左膝を持ち上げ独立式となり、爪先は下に垂らす。同時に右手をだんだんと上に挙げ、剣は頭の前方上を経て前に向かって指してゆき、(親指を下に向けて反手立剣をつくる)剣先はわずかに低くし、力は剣先に集中する。左手の剣指は下顎のところを経て身体を回すに従って前へ指を出していく。高さは目と平行で、剣指を見る。(図12)
要点:
分解動作の間は途切らせてはならない。独立式の姿勢の時は安定させるようにし、身体は前後に傾いてはならない。
(三)僕歩横掃
1、落歩?剣
上体を右に回し、剣は身体を回すに従って右前方に向かって切りおろし(ピイ)、右腕と剣は平まで真直ぐにして左の剣指は右手の手首に下ろす。身体を回すと同時に右膝を前に彎曲させ、左足は左横へ下ろして一歩下がり、膝を伸ばす。目は剣先を見る(図13)。
2、僕歩横掃
身体を左に向け回し左手の剣指は身体の前を経て左助骨に沿うようにかえして差し込み、後ろ左上方に向かって弧を描いて左のこめかみの前方上まで挙げていく。手の平は斜め上に向ける。剣を持っている右手は手を翻し、手のひらを上に向けて、剣を下から左上の方へと平らに掃っていき、力は剣の中間の刃に表し、剣の高さは胸と平行する。身体を回すと同時に右膝を曲げて僕歩となる。続いて身体の重心を次第に前に移し、左足の爪先を外に開き、左足は膝を曲げる。右足の爪先は中に入れ、右足を自然に伸ばし左弓歩に変える。目は剣先を見る。(図14)
要点:
以上の二つの分解動作は続けて行うようにする。僕歩は通過動作で、その後弓歩を形成し、身体はずっと正しく真直ぐに保持する。
(四)向右平帯
1、収脚送剣
身体の重心を前に移し、左足は膝を曲げて重心を支え、右足を持ち上げ、左足の足首の内側に寄せる。同時に剣を持っている右手を前に向かって伸ばして引き、前に運ぶようにし、手のひらはやはり上を向き、左の剣指はゆっくり下ろし、右の腋の上に近付けて手のひらは下を向く。目は剣先の方向を見る(図15)。
2、上歩翻剣
右足は続けて右前方に一歩踏み出し、踵を地につける。同時に剣を持っている右手を内旋させ、手のひらを下に向けてかえし、左の剣指はやはり右手の手首の上に近付ける。目はやはり剣先の方向を見る(図16)
3、弓歩右帯
身体の重心を前に移し、右弓歩となる。同時に剣を持っている右手を右斜めの方向に向け、ゆっくりと引き戻し、肘を曲げて剣を握り、右手は右助骨の前方まで引いてくる。勁力は剣の右側の刃の部分を貫き、剣先はわずかに右手より高くする。左の剣指はやはり右手の手首に近付けておき、目は剣先を方を見る(図17)。
 要点:
・足を寄せるのと右手の剣を前に向けて伸ばし引くように剣を運ぶ動作は同時に完成させるようにする。
・足を踏み出すのと右手の剣を翻すのは同時にしなければならない。
・重心を移して弓歩になるのと右手の剣を斜め横に引き戻す動作は協調一致させなければならない。
・帯剣を完全に揃った動作にするには続けるように、上体と下肢の動作の配合を協調させなければならない。
(五)向左平帯
1、収脚送剣
身体の重心を前に移し、右足で重心を支えて左足を持ち上げ、右足の足首の内側に寄せる。同時に右足は剣を前に向かって伸ばしながら引き、前に運ぶ。手のひらはやはり下を向き、左の剣指もやはり右手の手首の部分に近付けておく。目は剣先を見る(図18)。
2、上歩翻剣
左足を続けて左前方に向け、一歩踏み出し、踵を地に左足を続けて左前方に向け、一歩踏み出し、踵を地につける。同時に剣を持っている右手を外旋させて手のひらを上に翻し、左の剣指は下、左と弧を描いて左胸の前に持ってくる。手のひらは下に向け、目はやはり剣先の方向を見る(図19)。
3、弓歩左帯 身体の重心を前に移して左弓歩となる。同時に剣を持っている右手を左斜めの方向に向かってゆっくりと引き戻して肘を曲げ剣を握り、右手は左助骨の前まで引いてくる。剣先は手よりわずかに高くする。左手の剣指は左腹の前を経て左上方に向かって弧を描いて、左のこめかみの上まで挙げる。手の平は斜め上に向け、目は剣先の方向を見る(図20)。
要点;
”向右平帯”と動作の要点は同じでただ左右対象となる。
(六)独立綸劈(てへん)
1、収脚翻剣
右足を左足の内側に寄せ、爪先を地に着ける。左手フ剣指は頭の左上から右手の手首の部分に下ろし、その後身体を左に回し、右手は前から剣を引いて下に向かい、左ヘ弧を描いて身体の左下を経て内旋させ手首を翻し、手のひらをを外に向け、剣は左胸前に横向きに置き、目は剣先の方向を見る(図21,22)。


さあ、がんばって次ぎに進もう!
第二節は次ページですがまだ製作中です、暫くお待ち下さい。^:^;;。

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