第二段 提示

1、この段の歩法は腿法を主としており、退歩の時、軸脚は一定の屈曲の角度を保持しなければなりません。このようにして重心を平穏に動かすことを保持つことができれば、高くなったり低くなったりの波がうねるような起伏運動の間違いは出現しないはずです。
2、身体の重心を前後に移動して、上体及び両腕の動きを導く時は協調し一致しなければなりません。このようにすれば上体と下肢は動きが一体となって動作が協調して順調にうまく運びます。
3、この段の核心となる動作は欖雀尾であり、これは太極拳の中の棚、将、済、按(手遍やら活字注意!?)の四種類の手法を含んでいます。それゆえ練習の時は意識を集中し、方法を正確に動作は連続し、協調させて勁力をスムーズに運ばなければなりません。
第三段
(十)雲手
1、転体釦脚(手遍)
重心をゆっくり右足に移し、身体をゆっくり右に廻し、右足は膝をまげて下げ、左足はつま先を起こして内側に入れ、同時に左手を下から腹の前を経て右上に向けて弧を描き、右肩の前に至ります。手のひらは斜め後方に向けます。右の勾手を掌に変えて手のひらを前方に向けます。目は左手を見ます(図84,85)
2、雲手収脚
身体をゆっくり左に廻し、重心は身体を廻すに従って次第に左足に移してわずかに下げます。同時に左手は上に向けて弧を描いて顔の前を経て左に向かって運行していき、右手は下に向けて、腹の前を経て左に向かって運行します。左手を左前方へ動かす時、左掌は内旋させ手のひらを外に反して右手は上に向け右肘の内側に動かし、手のひらは斜め上に向けます。この時右足は左足の内側約10・の所に寄せて両足を平行にして膝をわずかに下げます。目は左手を見ます(図86,87)
3、雲手袴歩(足偏)
身体の重心を右足に移し、左足を左横に一歩動かし、つま先からまず地面に付け、その後ゆっくり足の裏全部を地面につけていきます。同時に身体を右に廻し、右手は上に向け顔の前を経て右に向けて弧を描いていき、左手は下に向け、腹の前を経て弧を描き、手のひらは左に向けます。両手が右前方へ弧を描いた時に、右手を内旋させ、手のひらを外に向け翻し、左手は右肘の内側へ至って手のひらは斜め上に向ける。目は手を見る(図88,89)。
4、雲手収脚
分解動作2と同じ(図90,91)。

5、雲手袴歩(足偏)
分解動作3と同じ(図92,93)。

6、雲手収脚
分解動作2と同じ(図94,95)。

要点:
・雲手は両腕が左右に身体を廻すのと重心の転換に伴い身体の前で交差し、立円の回転をする動作です。上の手が顔の前まで来た時、指先は眉を超えてはならず、下の手は腹の高さと同じにして動かします。両腕は一定の屈曲の角度を保持します。
・両手が左前(または右前)の側面に来た時、両手は丁度、陰陽魚(太極マーク)の状態を形成するようにし、魚頭(中心部)は胸の前におき、両手は魚尾(太極マークのふち)に似せるようにします。
・雲手は左右各三回行い、左雲手の時は右足を寄せ、右雲手の時は左足を踏み出して行きます。このように規則にしたがって雲手の練習を行います。
・雲手の過程では重心を平穏にして速度は均等にし、連続します。目は手を追います。
(十一)単鞭
1、転体勾手
前の動作から止まらず、重心を続けて右足に移して、身体を右に廻すに従って、右手は上、右に向かい顔の前を経て弧を描いて右横へ動かし、左手は下、右に向け腹の前を経て右上に弧を描いて右肩の前に至った時、手のひらを打ちに向ける。その後右手は内旋させ、手のひらを外に向け指先は上を向きます。指を全部曲げてまとめて勾手に変え、勾手の先は下を向き、手首はやや肩より高くします。右手を勾手に変えると同時に左足の踵を持ち上げて左丁歩となります。目は右手の方向を見ます(図96,97)
2、弓歩推掌
身体をゆっくり左に廻し、左足を左前方へ踏み出し、踵から地面につけ、右足の踵を後ろに伸ばして拡げ、身体の重心を前に移し左足に至り、膝を曲げて前方に彎曲させて左弓歩となります。同時に左手は上、左に向かい、顔の前を経て左へ向け弧を描いて左前方に来た時に左手を内旋させ、手のひらを外に向け翻して、左前方に向けて推し出します。指先は斜め上を向き、手首は肩と同じ高さにします。目は左手を見て単鞭式となります(図98,99)。
要点:
(九)単鞭勢と同じです。
(十二)高探馬
1、艮歩翻掌(足偏)
左の重心を前に移し、右足を半歩寄せて、身体の重心を次第に後方の右足の上に移してからだをわずかに右に廻し、右の勾手を掌に変え、外旋させて両手の手のひらを上に向けて翻します。両肘は左足の踵を次第に地面から離して行きます。目は左手を見ます(図100)。
2、虚歩探掌
身体の重心を全部右足に移して下げ、上体を左に廻し、右手は腕を曲げ、右掌は右耳の傍らを経て前に向け掌を推し出します(探掌)。手のひらは斜め下に向け、指先は斜め上を向き花と同じ高さにします。左手の手のひらは上に向けて左の腰の前に持って来ます。同時に左足をわずかに前に移しつま先を地面につけて左虚歩となります。目は前方を見ます(図101)。
要点:
・艮歩(寄り足)と勾手を掌に変えて両手のひらを上に向け翻す動作は同時に完成させなければなりません。
・身体の重心をゆっくり後ろに移して左虚歩になるのと、右手を身体の前に推し出し、左手を左の腹の前に寄せるのは協調一致させます。
・式が完成した時、上体はやはりゆるめ正しく真直ぐにして臀部を引っ込めることに注意します。
(十三)左磴脚(足偏)
1、活歩穿掌
左手は右手の手首の所から上へ突き出し、両方の手首を互いに交差させ、左手の手のひらは上に向け、右手の手のひらは下に向けます。同時に左足を持ち上げてから左前方へ踏み出し(活歩)、踵から地面に付けます。目は左手を見ます(図102)。
右足を伸ばして身体の重心を左足に移し膝を曲げて前方に彎曲させて左弓歩となります。左手を内旋させて手のひらを打ちに向けて翻します。目は左手を見ます(図103)。
3、収脚合抱
身体の重心を全部左足に移し、右足を左足の内側に寄せ、つま先を地面につけます。同時に両手を別々に左、右に向かって弧を描いて分けて、下に向け腹の前を経て両手を交差させ胸の前で抱えます。右手は外に左手は中にして手のひらは等しく後方へ向きます。目は右前方を平視します(図104)。
4、提膝翻掌
左足をゆっくりと伸ばして行き、右足は膝を曲げて持ち上げて左独立式となります。同時に両腕は身体の重心が上がって行くに従って内旋させ、掌を立て(立掌)手のひらは外に向けて翻します。目は右前方を見ます(図105)。
5、磴脚挙掌(足偏)
前の動作から止まらず、右足のつま先を起こし、ゆっくり右前方へ向け踵を用いてけり出す(踵)。勁力は踵を貫き、同時に両腕は別々に左、右に向けて弧を描いて分け平らに挙げます。腕はわずかに曲げ、指先は上を向き、手のひらは外に向けます。目は右手を見ます(図106)。
要点:
・収脚合抱の時、上体は臀部を引っ込め、正しくますぐに保持することをに注意し、腰を曲げたり臀部を出したりしない。
・嶝脚と分掌は平らに挙げ、動作は協調し一致させさければならず、左足の独立式はしっかりと立ちます。
・嶝脚の方向は右前方約45度の方角にします。また右腕と右足は上下相対します。
(十四)双峰貫耳
1、屈膝挙?
右足は膝を曲げ、つま先を自然に下に垂らす。同時に上体をわずかに右に廻し、両手の手のひらを上に向けて反し、両腕は肘を曲げて膝の上で前方へ平らに挙げます。目は手の方向を見ます(図107)。
2、落脚落手
軸足は膝を曲げて下に下げ、右足は右前方へ足を降ろし、踵からまず地面につけます。同時に両手は下に向け弧を描いて股関節の両脇へ分けて降ろします。両手の手のひらは前方上に向けます。目は前方を平視します(図108,109)。
3、弓歩貫拳
身体の重心を右足に移し、右足は膝を曲げて前に彎曲させて右弓歩となります。同時に両手は続けて後ろへ弧を描き、内旋させ拳を握り、左右両側に向けて、上、前へ向かって弧を描き、顔の前方ヘ至り、両腕はわづかに曲げて鈕?(ペンチ)の状態となり、両拳はわずかに内側に入れます。拳眼は斜め下に向け、両拳は約20・程間隔をとり、高さは耳と平行にします。目は両拳の間を見ます(図110)。
要点:
弓歩となるのと両手の貫拳は協同し、一致させます。弓歩貫拳が完成した時、肩をいからせたり、肘をそらしてはならず、肩を沈めて肘を落さなければなりません(沈肩垂肘)。
第三段 提示
この段の主題となる動作は連続三回の雲手の動作で太極拳の左顧右眄(左を顧る、右を見る)の歩法、身法、眼法を具体的に現したものです。歩法は左に向かって足を開き(開歩)、閉じ(並歩)、重心を虚実に転換して、横へ並行移動して動き、身法は腰を軸として左右に廻し、両腕を導き、身体の前で止まらず交差して、立円の回転を行う。目は左右の動きにしたがって交替して上の手を見ます。このようにすれば充分に太極拳の手、目、身、歩法の全体の運動の技法による特点を体現できます。
この段の右嶝脚は挙腿平衡動作(足を挙げたり、バランスを保つ動作)であり、足の脚力及び柔軟に制御する能力が必要とされます。それゆえ日頃この方面の素質練習(基本功)を強化すれ動作の質を向上させることが出来ます。
第四段
(十五)転身左嶝脚
1、転身釦脚(手遍)
身体の重心を後ろに下げ、左足は膝を曲げ身体の重心を支えます。上体を左に廻し、右足のつま先を起こして内側に入れ、足の裏全部を地面につけます。同時に両拳を掌に変えて上から別々にして左右に弧を描いて平らに挙げます。手のひらは前に向け、肩と同じ高さにし、両腕はわずかに曲げます。目は左手を見ます(図111,112)。
2、収脚合抱
身体の重心をゆっくりと再び右足に移し、膝を曲げて支えます。左足を右足の内側に寄せつま先を地面に付けます。同時に両手を両側から下に向け、腹の前を経て交差し胸の前へ抱えてくる。左手はO、右手は中にして、手のひらは等しく後方を向きます。目は左前方を見ます(図113,114)。
3、提膝翻掌
(十三)右嶝脚の分脚動作4と同じで動作は対称で方向が逆です(図115)。
4、嶝脚挙掌
(十三)右嶝脚の分脚動作5と同じで動作は対称で方向が逆です(図116)。
(十六)左下勢独立
1、収腿勾手
左足は膝を曲げつま先を自然に下に垂らし、上体をわずかに右に廻し、同時に右手を勾手に変え、勾手の先は下に向けます。左手は右から顔の前を経て弧を描いて右肩の前で立てます。手のひらは斜め後方に向けます。目は右手を見ます(図117,118)。
2、僕歩穿掌
右足はゆっくり膝を曲げて下にしゃがみ、左足は横に傾くようにし、後ろに伸ばしていき、左僕歩となる。左手は下に降ろして手のひらは外に向き、左下から左大腿部の内側へ突き通していきます。目は左手を見ます(図119,120)。
要点:
右足が完全にしゃがんだ時、上体はやはり正しくまっすぐに保持しなければならない。僕歩穿掌の時、掌は下におろし、腹の前を経なければならず、その後ひとつ手首を廻す(転腕)の動作があり、手のひらは外に向けます。指先は前に向け、親指は上に向け、手は前方へ突き通して行く。
3、弓歩立掌
身体の重心を前に移し、左足は踵を軸としてつま先をわずかに外へ開き、左足を前方に彎曲させ、右足は後ろへ伸ばしてつま先を内側に入れる。上体をわずかに左に廻し、前へ上体を起こす。同時に左腕を続けて前に伸ばして立掌となります。手のひらは右に向け右勾手は内旋させて下に降ろします。勾手の先は反して後上方に向け、腕は斜め下に向け、腕は斜め下に挙げる。目は左手を見る(図121)。
4、提膝挑掌
重心を左足に移し、右足は膝を曲げてゆっくり持ち上げ、左独立歩となる。同時に右手を勾手から掌に変え、後ろから下、右足外側に沿って前に向かって弧を描いて起こし、肘を曲げて右足の上に置き、肘と膝は相対します。手のひらは左に向け、指先は上を向いて眉と同じ高さにします。左手は左股関節の傍らに降ろし、手のひらは下に向け、指先は前に向けます。目は右手を見ます(図122)。
要点:
軸足はわずかに曲げ、持ち上げている右膝は腹と同じ高さで、同時に右肘と右膝は相対し、つま先は自然に下に垂らす。左手を下に降ろす時、按勁(押さえる力)が有るようでなければならない。左手の下方への按と提膝挑掌は調和し、一致させます。
(十七)右下勢独立
1、落脚勾手
右足を左足の右前方におろし、つま先を地面につける。その後左足はつま先を軸にして捻り、それに従い身体を左に廻す。同時に左手は左、上に向けて弧を描いて勾手に変えて平らに挙げる。勾手の先は下に向け、腕はわずかに曲げ、右手は身体を廻すに従い、左側に向かって弧を描いて左肩のまえに立て、手のひらは斜め後方に向けます。目は左手を見ます(図123,124)。
2、僕歩穿掌
(十六)左下勢独立の分解動作2と同じで動作が対称で方向は逆です(図125,126)。
3、弓歩立掌
(十六)左下勢独立の分解動作3と同じで動作が対称で方向は逆です(図127)。
4、提膝挑掌
(十六)左下勢独立の分解動作3と同じで動作が対称で方向は逆です(図128)。
(十八)左右穿俊(木偏)
1、落脚転体
左足を左前方に向けて足を降ろし、つま先は外に開いて地面に降ろし、膝をわずかに曲げます。右足は膝を曲げてわずかに降ろし、叉歩の状態となる。同時に上体は左に廻し、左手は身体を廻すに従って内旋させ、腕を曲げ胸の前に持ってきます。手のひらは下を向き、指先は右を向きます。右手は身体を廻すに従って外旋させ、手のひらを上に向け、右股関節の前に持って来ます。目は左手を見ます(図129,130)。
2、収脚抱球
上体は続けて左に廻し、身体の重心を前に移して左足に至り、膝を曲げて支え、右足を前に向け左足の内側に寄せてつま先を地面に付けます。同時に右手は身体を廻すに従い、前に向け、左に弧を描いて左腹前の前で腕を曲げます。両手の手のひらは斜めに相対し、抱球の状態となり、目は左の前腕を見ます(図131)。
3、弓歩架推
上体を右に廻し、右足を右前方に向けて一歩踏み出し、踵からまず地面に付けて、その後足の裏全体をつけます。重心を前に移し、右足は膝を曲げて前方に彎曲させて右弓歩となります。同時に右手を内旋させ、前、上に向けて弧を描いて手を頭の右前方上に支え挙げます(架)。手のひらは斜め上に向けます。左手は身体の前を経て前へ推し出します。指先は鼻と同じ高さで手のひらは前に向けます。目は左手を見ます(図132,133)。以上を左穿俊とする。
4、収脚抱球
身体の重心を少し後ろに移し、右足のやや外に開き、すぐさま身体の重心を再び右足に移し、左足は右足の内側に寄せつま先を地面につけます。同時に右腕は腕を曲げて右胸の前に降ろし、手のひらを下に向けます。左手は下に向け右へ弧を描いて外旋させ、右腹の前へ持って行きます。手のひらは上に向け、両手は抱球の状態となります。目は右手を見ます(図134,135)。
5、弓歩架推
分解動作3と同じで動作は対称で方向は逆になります(図136,137)
以上の動作を左穿俊とする。
要点:
左右穿俊は比較的分解動作が多いが、しかし動いている過程の中では身体を真直ぐに保持し、臀部を引っ込め股関節を沈めて、重心を平穏にしなければなりません。また”収脚抱球、弓歩架推”の動作は協調し一致させなければなりません。
(十九)海底針
1、艮歩提手(足偏)
右足は前へ半歩寄り足して身体の重心を右足に移して膝を曲げわずかに下げ、左足をやや持ち上げ、同時に身体を少し右に廻し、右手を下に降ろして、身体の前を経て後ろから上に向け、耳の傍らへ挙げます。手のひらを左に向け、指先は斜め前方下を向きます。左手はわずかに前から下へ降ろして行き、手のひらは下に向け、指先は前を向きます。目は右前方下を見ます(図138)。
2、虚歩挿掌
前の動作から止まらず、身体を左に廻し左足を少し前に移し、つま先を地面につけ、左虚歩となる。同時に右手は右耳の傍らから斜め前方下に挿し降ろし、手のひらは左に向け、指先は斜め下に向けます。左手は下から後方に弧を描いて左股関節の傍らに降ろし、手のひらは下に向け指先は前に向けます。目は前方を見ます(図139)。
要点:
身体はまず右に廻し、再び左に廻さなければなりません。上体は前に傾き過ぎてはならず、頭を下げたり、腰を曲げたり、臀部を突き出してはいけません。
(二十)閃通背
1、提手提脚
上体はわずかに上に起こし、垂直にして右手は上に向けて持ち上げ、胸の高さと同じにする。同時に左手は前方から上に向けて、弧を描いて右手の手首の内側におく。両腕を前に挙げると同時に左足は膝を曲げわずかに持ち上げる(図140)。
2、万歩翻掌
左足は前に向け一歩踏み出し、踵からまず地面につけ、つま先は起こす。同時に右手は身体の前から上に挙げて内旋させ、手のひらを外へ翻す。左手は前方上に向け、右の前腕の内側に置き、指先は上を向き、手のひらは右を向く。目は右手を見ます(図141)。
3、弓歩推掌
身体の重心を前に移し、左足のつま先を下に降ろし、足の裏全体を地面に付け、右膝を曲げ、前方に彎曲させて左弓歩となります。同時に身体をわずかに右に廻し、右手は上へ向けて弧を描いて頭の右上に挙げ、手のひらは斜めうえに向ける。左腕は前へ向け推し出し、手のひらは右前方にむけ指は斜め上に向け鼻と同じ高さにし、腕をわずかに曲げる。目は左手をみます(図142)。
要点:
・右手を上に挙げ、左手を右の前腕の内側に挙げて行くのと左足をわずかに持ち上げるのは協調し一致しなければなりません。
・重心を移し左弓歩となるのと両手の架推(一方を支え上げ、一方を推し出す手法)の動作は協調し、一致させます。
・動作が完成した時、上体は正しくまっすぐにして腰をゆるめ、股関節を沈めることを保持します。
(二十一)転身搬欄捶
1、後脚釦脚(足偏)
身体の重心を右足に移し、左足のつま先を起こして内側に入れ、身体を右に廻し、同時に右手を身体を廻すに従って右から下へ弧を描いておろし、右側に挙げて指先は上を向き、手のひらは上を向く。左手は上から右に向かって弧を描いて頭の左側に来る。手のひらは斜め上に向け、指先は斜め右上を向きます。目は右手を見ます(図143)。
2、転身握拳
身体の重心を再び左足へ移し、膝を曲げるに従い、身体をわずかに右に廻す。同時に右手は拳を握り、下、左に向け腹の前を経て弧を描いて左の月力骨の傍らに至り、拳の中心は下を向く。左手は上へ向け、頭の前に挙げる。手のひらは斜め上に向ける。目は右前方を見ます(図144,図144反対図)。
3、?脚搬拳
身体を右に廻し、右拳は胸の前を経て前に向けて翻し、身体の前へ打ち出す(つまり右手を胸の前を経て肘関節を軸として上から前に打降ろす。)拳の中心は上に向け、拳背を力点とする。左手は左股関節の傍らに降ろし、手のひらを下に向け、指は前を向く。同時に右足は左足の内側に寄せてから右前方へ向けて踏み出し、つま先は外に開いて踵を地面に降ろす。目は右拳を見ます(図145)。 以上の動作を搬拳とする。
4、上歩欄掌
身体の重心を右足に移し、身体を右に廻す。左足は前に一歩踏み出し踵から地面に付けます。同時に左手は左から身体の左側を経て前に向け弧を描いて遮り(欄)、手のひらは前方下に向ける。右拳は内旋し、拳の中心を下に反し、右から後方へ弧を描いて外旋させ右腰の傍らに構える。拳の中心は上を向き、目は左手を見ます(図145)。 以上の動作を欄掌とします。
5、弓歩打拳
重心を前に移し左足は膝を曲げ前方に彎曲させ、左弓歩となる。同時に右拳は前に向け打ち出す。拳眼は上を向き、胸と同じ高さにする。左手はわずかに戻し、右の前腕の内側に近付ける。目は右手を見ます(図147)。 以上の動作を打捶とする。
要点:
・右拳の搬打と右足のつま先を開いて地面に降ろす動作は、同時に完成させます。
・左足を踏み出す時と左手の弧を描いて前に遮る(さえぎる)手の動作(搬掌)は同時に完成させなければならない。
・重心を前に移して弓歩となるのと右拳を打ち出す動作は同じに完成させなければならない。
・弓歩打拳になった時、上体は前傾してはならず、腰をゆるめ股関節を沈めて、上体を正しく真直ぐにしなければならない。
(二十二)如封似閉
1、穿手翻掌
身体の重心をわずかに前に移し、左手を右手首の下から前に向かって突き出し、右拳を掌に変え、両手の手のひらを次第に上に向けて反し、それぞれ左右両側へゆっくり肩と同じ幅に分けて行く。目は両手を見ます(図148,149)。
2、後坐収掌
前の動作から止まらず重心を右足に移し、身体を後ろに下げ左足のつま先を起こす。同時に両腕は肘を曲げて両手を胸の前を経て戻し、内旋させて下に向け腹の前で押さえる(按)。手のひらは等しく前方に向ける。目は前方を見る(図150,151)。
3、弓歩推掌
前の動作から止まらず、身体の重心をゆっくり前に移し、左足のつま先を下に降ろし、足の裏全部を地面につけて、膝を曲げ、前方に彎曲させて左弓歩となる。同時に両手を腹の前から前方上へ向けて推し出す。両腕はわずかに曲げ、手のひらは前に向け指は斜め上を向き、手首は肩と同じ高さにする。目は前方を平視する(図152,153)。
要点:
・身体の重心を後ろへ下げる時、上体を後ろに反ったり、腹を張ったりしてはならず、上体は正しく真直ぐに保持しなければなりません。
・弓歩の時に臀部を出っ張らせてはいけません。両手を前に向けて推し出す時の幅は両肩を超えてはならない。
(二十三)十字手
1、転体分掌
身体を後方へ下げ、重心を右足に移し、左足のつま先を起こして内側に入れ、身体を右に廻すに従って右へ向け平らに弧を描いて開いて行き、左手と共に両腕は側面に平らに挙げておく。手のひらを外に向け、両肘をわずかに曲げます。同時に右足はこれに従って小さく右に向けて開き、右側弓歩となる。目は右手を見ます(図154,155)。
2、収脚合抱
身体の重心をゆっくりと左足に移し、右足のつま先を内側に入れ、すぐさま左へ向けて寄せ、両足の幅は肩と同じ広さにして両足はしだいに伸ばして開立歩となる。同時に両手を下から腹の前を経て上に向け弧を描いて胸の前で交差して抱える。両腕は丸く張り、手首を肩と同じ高さにしておく。右手は外の置いて十字手となる。手のひらは等しく後方へ向ける。目は前方を平視する(図156,157)。
要点:
・重心を移し側弓歩となるのと、両手を分けて挙げるのは緩慢に協調し、一致させなければならない。
・足を寄せて開立歩になる時、上体を正しくまっすぐに保持することに注意し、腰を曲げたり、臀部を出っ張らせてはなりません。
(二十四)収勢
1、翻掌挙?
両手を同時に内旋させ掌を翻して手のひらを下に向ける。同時に両腕を前に向かって左右に分けて挙げて胸と同じ高さで肩と同じ広さにし、両腕はわずかに曲げる。目は前方を平視する(図158)。
2、落手垂?
両腕をゆっくり身体の両側に降ろして行き、両腕は自然に下に垂らす。目はやはり前方を平視する(図159,160)。
3、収脚環原
身体の重心をゆっくりと右足に移し、左足の踵、つま先と順を追って地面から約5・程離し、ゆっくり右足の内側に寄せ、つま先、踵と順を追って地面に付け、身体の重心を両足の間に降ろし、自然に直立する。目は前方を見る(図161)。
要点:
・両腕を下に降ろすのは緩慢、穏やかにし、両手の手のひらは下に向かって按勁(押さえる力)があるようにしなければなりません。
・両手を下に押さえる時は息を吐いて丹田に沈めます。
・精神を収めて、意識と気を丹田に帰します。

       第四段  提示

第四段には十の動作が有り、動作運動路線から分けると実際には六つの動作名称で七つの架式、最後に回身して四つの動作を加えて収勢となる。この段には”左嶝脚”、”下勢独立”等の動作が続いていき起伏が比較的大きく、”海底針”、”転身搬欄捶”の動作は協調性が比較的強く、この套路の技術の難度の頂点である。嶝脚、下勢独立の動作は重心を軸足の上におき、両腕の配合は協調し、一致させなければならず、身体のバランスをよく掌握しなければならない。”海底針”、”搬欄捶”の技術のキーポイントは上体と下肢および身体の同歩運動(同時性の歩法運動)をよく処理することで、このように練習していけば連貫し、協調して順調に動くことができる。
       総括
1、
1、24式太極拳は24の動作名称であるが、しかし各動作にまだいくつもの架式を含んでおり、動作と動作の間のつながりにも異なった方法が有る。それゆえにそれを把握したいと思ったら、良く練習して必ず分解動作をひとつひとつ架式に基づいて学習し、ひとつ一つの動作を覚えなければならず人について瓢箪を真似て瓢を描く(見よう見まねをすると言う意味)ようではいけない。
2、一つ套路の動作を学び終えた後は練習し、数多く練習する。熟練してこそ巧(巧みさ)が生じる。拳諺にも”拳打千遍、身法自然”(千回拳を打てば身法は自然になる)とある。
3、身体を鍛練するには”持之以恒”(根気良く続ける)が必要で”練”(練習)と”悟”(理解)が結合しなければならない。このようにすれば技芸は断えず向上する。

 
これが最後のページですがまだ製作中です、暫くお待ち下さい。^:^;;。

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